ノルウェイ

通勤時間が片道2時間もあるので、
毎日毎日ヒマです。
最初は体力的につらかったので、
なるべく寝ていたのですが、
勤務になれて体力的に問題が無くなっていく代わりに精神的にクることが多くなり、
その結果通勤時間はボーッとする時間、に当てられております。
眠りより精神集中の時間を欲しているのだ、といったところでしょうか。


でもまあやることがなかなかないんです。

ヒマついでに人の観察をしたりしています。
朝晩の電車はまんま人生の縮図なので、
正面で揺られているおっさんの顔をとっくりと見物するだけでも
面白いものです。
が、これはオノレに想像力がある、わりと余裕のあるときの楽しみ方。

近頃想像力を働かせる精神のちからが尽きてピンチなので、
本を読んでいます。
僕は同じ本を何度もなんども読み返す、というタイプの読書家で、
あまり新しい作家に手を出したりしません。
司馬遼太郎や井上ひさし、大江健三郎、夏目漱石なんかがぼくの好みです。


んで、いまさら村上春樹の「ノルウェイの森」を読んだりしました。
なんでこの本がうちにあるか、というと。
ものすごいベストセラーであるこの本、売れてるものなら一度は首をつっこむ母ちゃんが
購入したのです。
読後感を聴いてみたら、なんと「つまらなかった」とのたまうではありませんか。
「何でよ」
「だって暗いんだもん」
「そりゃあんたサスペンスしか読まないからだろ」

などとニコヤカな会話を経て、この本は僕のものとなりました。


もともと、昔付き合っていた彼女さんが、
この作品にすごい影響をうけていて、
大学時代、僕に読め 読めとうるさかったのです。
あまりにもしつこかったので、
僕は彼女に本を借り(させられ)、
2,3ページ読んで「なんて自意識過剰な小説だよ」と内心嘲り、
結局読まずに返しました。

今思うと、自意識過剰だったのは当時の僕であったんだろうなあ、という気がします。
人が陥る心の闇。
孤独。ひととひととのつながり。
病。
そういうものを描いているこの作品に対し、
僕はどうやら同属嫌悪のような感情を抱いていたのだろうなあ、と。
当時の僕は自意識過剰で(今でも変わりませんけど)鼻持ちならない、ただのバカでした。
そしてまさに、ノルウェイの森に描かれるような闇に、僕は囚われていたのだと思います。

そして、その闇が自分の唯一無二のものだと思い込み、
それが描かれている作品が僕の心を見透かしたようで、気分悪かったのでしょう。
まるで自分にできた傷を見せびらかす子供のように、
逆に大切にするあまり傷を秘める子供のように。


年をとる、成長するってこういうことなんだなあ、と思ったりしました。


これからもポチポチ本読もうかな。

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by kentakuma | 2005-01-07 01:41 | 謎小説