本読みました

阿辻哲次「部首のはなし」中央公論新社。

 わたくしがこのブログを始めた当初、つまり昨年の10月ごろまで、
 わたくしはとある塾の国語科講師として教鞭をとっておりました。

生徒に自作の漢字テスト
  ●虎にイドんで喰われた
  ●認めたくないものだな、若さゆえのアヤマちは。
  ●ヒジョウシキな漢字テストだ
・・・などなど、保護者に見られたら怒られるなあ。という授業展開をしておりました。

 講師を辞め、普通のサラリーマンになってからも、やはりなんとなく国語の話題には親しみを覚えております。

 わたくしは小・中校生を担当しておりました。

 ご存知の通り、小学生の国語の学習のかなり大きな部分が『漢字』に充てられております。
それは今も昔も変わらないのですが、
近頃、とみに「生徒に強制させることを恐れる」とでも申しましょうか、
「自由と義務」の「自由」のみを強調する教育の弊害とでも申しましょうか、
小学校において、「漢字の書き練習」を大変おろそかにしていたようなのです。
 少なくとも,わたくしが担当していた校舎の立地する市ではそうでした。

 わたくしは生徒に「鬼。」といわれながらも、
漢字の課題を山のように出しておりました。
生徒曰く、
 漢字の居残り課題をやらせているわたくしの表情は、
「俺は居残り課題やらせるのが楽しくて先生やってんだぐへへへへへ」と言わんばかりの、
法悦の笑みだったそうでございます。

 そんなばかな。


 講師だったわたくしが、頭を悩ませたのが
「小学生に漢字をいかにして教えるべきか」でございました。

まず、最初は象形文字から教えます。

へたくそな魚の絵を書き、質問します。おまえらこれが何に見える。

「なにそれ、先生へたくそー」
「たいやき?」
「こいのぼり」
「腐った魚」

おまえら。

「魚でしょ、それがどうかしたの」

先生は次に魚をぐにょっと崩した形を書きます。

「うわ、ほんとに腐った」
「腐ったー」
「先生みたいに腐ってる」

くちぐちに発言する可愛い生徒達。
ほんとおまえらは可愛いよ。

おまえら、漢字の課題倍に増やすぞ。

とたんに静まり返る教室。

・・・・よし。んじゃあ、と先生は漢字の「魚」を横に寝かした形を黒板に書きます。

「あ、漢字になった」

漢字の「魚」が横になってるだろう。
つまり、「魚」という字は、もともと絵みたいなものから出来たんだ。
こんなふうに、絵が元になって出来た文字を

『象形文字』

「ぞうけい?」
「ぞうじるし!」

ポットか。
しょうけいもじ、といいます。
象形文字の仲間は、例えば「月」や「女」、「川」なんかもそうだ。

「へー」

と、まあ、こんなノリの授業をやっておりました。



冒頭に紹介いたしました「部首のはなし」でございますが、
わたくしの授業のような幼稚な内容ではなく、大人も読んで楽しめる内容となっております。
例えば、「卍」という漢字の画数は、
 ①普通に書くと5画
 ②辞書に載っているのは6画
となっているのですが、その理由は。

 しんにょうの点はいくつが正しいの。

などなど、別に知らなくてもいいけど知ってたらなんとなくしあわせ。
な知識が詰まっております。

 エッセイとしても一品級。おすすめ、であります。

本日のRO

①なし

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by kentakuma | 2005-05-18 18:32 | 謎小説