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宮部みゆき「模倣犯」

僕は、自分の妹がこの本に出てくる女の子たちのように殺されたら、
自分の恋人がこんな風に殺されたら。
そんな風に読んでしまったよ。
きつかったよ。


僕にとって、やってはいけないことなのに、
ついついやってしまうこと、のひとつに、
深夜、眠れないときの読書があるのです。

ことに良質なミステリーやらを開き始めると、
先が気になって気になって、
気がつけば朝で激しく後悔。
なんてことも、ある。

そんで、やらかしました。
宮部みゆき「模倣犯」を読み返してしまいました。

ハードカバーが出たあたりで、
ミステリー好きの母が買い込み、激賞していて、
大学生時代の僕が実家に帰ってきたときに薦められ、読んだ。

気がつけば、
あのブ厚い二冊をイッキ読み。読み終えたあとヘロヘロ。

そんで、それから数年たち、今。
新たに文庫本が出てるんですよ。
本屋で見かけて、
そういえばしばらく読んでなかったなー、と。
フと本棚の本書を読み返してしまったのが運のツキ。

HAHAHAHAHAまた朝だよオイ。また朝だよ。
どうしよう仕事なのに。寝てねぇよ。やべぇよ。


んで。

映画のほうで有名になったっぽいですが、
宮部みゆきの中では、映画は黒歴史っぽいので触れないことにしましょう。

内容は、連続殺人の話です。
そんで、それにかかわる人々の話です。

なんてーか、登場人物の周辺について丹念に丹念に書くのです。
理不尽な、あまりにも理不尽な形で幸せを奪われたヒトの苦しみ。
犯人の恐るべきエゴ。闇。
読んでるウチにどんどん鬱っぽくなっていきます。
マジきっついんです。
しかも、「自分の家族がこんな風になったらヤだな」とか、
そういう風なのをリアルに想像してしまい鬱なのです。


ミステリとして、「謎が解けた!」みたいなモノを味わう作品では、無いのです。
犯人あほですし。
読後感の悪さ、
あー早く真犯人ブチのめされねーかなー感はピカイチです。
すんげぇームカつくのです。

でも、面白いんだなあ。とても面白いんだなあ。

ちょっとヒマで鬱っぽくなってもいいヒトは、
今持ちやすい文庫本で出てるので読んでみるといいです。
明日が休みだぜ、って時に読むといいです。

あと、読んだヒトの感想も聞きたいなあ。


んで、いま産経で後日譚を描いた『楽園』ってやってるんですってね。
超気になる。

by kentakuma | 2006-02-21 07:53 | 謎小説